アルコール感受性遺伝子多型検査
アルコール感受性遺伝子
1B型アルコール脱水素酵素(ADH1B):エタノールをアセトアルデヒドに酸化する酵素の一つです。 2型アルデヒド脱水素酵素(ALDH2):エタノールの代謝産物のアセトアルデヒドを分解し、酢酸へと代謝する主要な酵素です。 アルコールはアルコール脱水素酵素(ADH)により有害なアセトアルデヒドに分解され、さらにアルデヒド脱水素酵素(ALDH) により酢酸へと代謝されます。 飲用によるアルコールは、消化管を通り、小腸から門脈を通って肝臓で主に代謝されますが、アルコール代謝の個人差により、アルコール感受性および各種疾患リスクが大きな影響を受けていることが明らかになっています。 酵素活性が強く、アルコール代謝の中心的な役割を果たしているADH1B(アルコール脱水素酵素1B遺伝子)とALDH2(アルデヒド脱水素酵素2) には遺伝子多型が存在します。 アルコールをアセトアルデヒドに分解するADH1BにはHis48Arg多型があり、48番目のアミノ酸がヒスチジンの高活性型(高活性型ホモ接合体)とアルギニンの低活性型(低活性型ホモ接合体)とヒスチジン/アルギニンの活性型(活性型ヘテロ接合体)が存在します。日本人を含む東アジア人に多いHis多型(高活性型と活性型)はアルコールを分解する速度が非常に速いためにアルデヒド反応(フラッシング反応)が強くなります。アルデヒド反応が弱い Arg多型(低活性型)の人は飲酒量が増える傾向があるためにアルコール依存症になりやすく、高活性型の人と同程度の飲酒でも上部消化器(食道や咽頭など)癌になるリスクが高くなることも分っています。 アルコール脱水素酵素によって分解されたアセトアルデヒドは極めて毒性が強く、赤顔、鼓動、頭痛、吐き気などの症状(フラッシング反応)を引き起こし,悪酔いや二日酔いの要因となります。 主に肝臓でアセトアルデヒドを分解するALDH2にはGlu487Lys多型があり、487番目のアミノ酸がグルタミン酸の活性型(活性型ホモ接合体)とリシンの不活性型(不活性型ホモ接合体)とグルタミン酸/リシンの低活性型(へテ口接合体)が存在します。日本人の 約37%はお酒に弱い低活性型で、約6% はお酒を全く飲めない不活性型であると報告されています。また、Lys多型の人は上部消化器(食道や咽頭など)癌になるリスクが高くなります。 ADH1BとALDH2の遺伝子多型を調べることにより,アルコール代謝の個人差を熟知でき、なお飲酒習慣の見直しを通して各種疾患の予防に役立つと期待されます。 アルデヒド(フラッシング)反応:赤顔、鼓動、頭痛、吐き気など アルコール感受性遺伝子検査〜判定できる9つの体質タイプ
頬粘膜や血液によりDNAを抽出し、Conventional Multiplex allele-specific PCR法により、以下の2つのSNP(一塩基多型)を同時に解析します。
本キットはSCOTSで開発されたものです。又、遺伝子検査に関する受託サビースの全てはSCOTS内で行なわれ、外部へ委託するものではありません。 アルコール感受性多型検査は受託サービス対象製品ですが、キット販売も可能です。ご購入希望やご不明点については、お問い合わせメールよりお問い合わせください。 |